株式会社オフィスノヴェル

【まんぷく】世良さんだけが悪いのか?─朝ドラから経営を学ぶ

こんにちは、相変わらず朝ドラが好きなオフィスノヴェルです。

経営者としても参考になることが多い朝ドラですが、今期の「まんぷく」は特に面白いですね!長谷川博己さんが好きなこともあって、これまで以上に見るようにしております。

さて、今日の「まんぷく」。主人公夫婦が始めた製塩業、初出荷の塩の代金を<親友>世良さんに50%ピンハネされるというシビアな展開でした。

悪どい中抜きに厳しい視聴者の皆さん、SNSでも世良さんの株が大暴落です。でもこれ、本当に世良さんだけが悪いのでしょうか?

原価だけでは世界は回らない

お仕事をしていると、時々「原価」でしかものごとを考えない方にお会いします。これが面白いことに、自分の業界のこと(商社や卸、代理店が存在する)はよくわかっている方でも、ひとつ垣根を超えると、他の業界にもそのような仕事の流れがあることはすっ飛んでしまうようなんですね。特に私の関わる業務界隈は今や「フリー素材」があふれているので、なんだか無料で何でもできると勘違いされる方もいらっしゃいます。いえいえ、誰かが何かをすれば、そこには仕事が発生しているのですよ。

今日のドラマでいえば、世良さんは車を使い、実際に塩を運搬・納入してくれました。世良さんの営業トークがスムーズだから専売局がさっと受け入れてくれたかもしれません。(想像以上に高値がついたので世良さんも魔が差したのでしょうね)

50%は取りすぎかもしれませんが、世良さんの「仕事」=「金銭的価値」は確実に存在しているのです。

社長である萬平さんは、世良さんの仕事に対して、何らかの設定をすべきでしたよね。例えば売上げの〇%は支払うとか、手間賃を支払うとか、まとめて謝礼をすると約束する…などです。(もっと言えば、初出荷なので社長は同行すべきだったと思います。相場が決まっているとはいえ、品質・色味などにどのような評価をされるのかはリアルに聞かないとわからないですからね。)

そのような目を曇らせたのが<親友>、この一言です。

起業家は友情に助けられ、友情に悩まされる

起業して実際に仕事を回す中で、友情や身内的な人間関係は本当にありがたいものです。

ビジネスにおいて信用が第一と言われる中、ある程度気ごころの知れた同志であれば心配も減るし、仕事を創ってくださったり、こちらの抜けているところを機転で穴埋めしてくれたりするのも、やはり強い人間関係に助けられているからだなと感謝することが本当に多いのです。よく考えれば弊社はほとんどそのような関係+発展形で仕事をしてきているかもしれません。

でも、だからこそ、ぼろ儲けでもボランティアでもない適正な視点で、お金のことはきっちりしようと、意識はしていますが、今日のドラマでもますます心を引き締めました。

私などとレベルの違う大きなビジネスをされている方の著書などを読んでも、その手のことはよく書かれています。親友と思っていた方に裏切られたり、なあなあの受注がその後トラブルになったり。人の気持ちがお金の関係で変わったりすることもよくあることですよね。

特に起業して間もない方ほど友情に頼るケースも多いと思います。友情には感謝しながらも、手掛けているのは仕事、ビジネスだという根幹を見失わないようにして、良い仕事をしていきたいものです。

そんなことを面白悪どく教えてくれて、ありがとう世良さん!そして脇が甘い、甘すぎるぞ萬平さん!

このドラマ、萬平さんは発明家ではあるが経営者としては未熟だというところがずっと書かれています。おそらく主人公の福ちゃんのほうが、その欠点を補うためにマネジメント力を身につけていくのでしょうね。

そして実はいちばん鋭い眼を持っているのが、福ちゃんのお母さん、「武士の娘」の鈴さんのようです。家庭という場では多少口うるさい鈴さんですが、ビジネスという舞台では鈴さんの指摘はすべて的確。私もどちらかというと夢見がち妄想系なので、いつも心に「武士の娘」を住まわせていこうと思います!


Tagged on: , ,